櫻が燃えてる
りつ

夜の底で櫻が燃えてる
触れなば散るらむ風情で
ほとほと と
このままいっせいに散ってしまえば
黄泉比良坂の道のりも
仄かな明かりに照らされて
淋しい騒めきを鎮めてしまう
 
櫻の散り際は
儚く真潔く
ひとひら落ちれば
つぎつぎと
心音が開くように
あえやかな祈りを乗せてまろい
一途な祈りが届かぬならば
死んでしまってもかまわない

夜の底で櫻が燃えてる
想い遺して散る日を待ってる
散ることだけが証だと
黙して白く
いのちに不知火ともし

いま、ひとひら、の、


自由詩 櫻が燃えてる Copyright りつ 2026-01-12 22:23:45
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