カワグチタケシ

降りだした雨の隣を雨が通りすぎるとき
一本の鎖が気泡をまとい水底に沈んでいく
シャワーの栓を開けると聞こえてくる
にぎやかな声は意味を持たない音だ

冬の水族館
厚いガラスのむこうでは
天上から降り注ぐ声を目指して
小さな気泡たちが絶え間なく浮かびつづける

早春のエアポート
厚いガラス越しに伝わる掌の温度
くぐもった声が響く

飛び立てば窓の外は零下
眼下に永久凍土パーマフロスト
声は聞こえない


Contains sample from H.Devoto


自由詩Copyright カワグチタケシ 2026-01-12 22:14:54
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