美しい女
月乃 猫

薄暗がりの岩窟に
 女がいた


美しさは普遍の 時を超越し

時代の制約する 美の価値など問題にせず、

活きた存在であるがため

心をうつ

わたしの存在など

気づきもせず

子に落とすその優しい 母の眼差しに

性の欲望も超えたひと

誰もを 惹きつける

やすらぎの微笑み

差し込む光さえ

柔らかさをます


ネオンの街頭のしたで
客を呼ぶ少女は、あなたでした、

汗に料理店で 給仕するその女も、

氷の川の冷たさに 
洗濯に手をする母も、あなただった

白い息に 足早に草原を歩む少女の中にも、

家族を失い 眼を赤くする皺の老女、

仕事に疲弊し 列車の座席に
常夏の砂浜の夢をみる女、

プラカードの怒りに叫びをあげる寡婦に、

子猫と眠る 幸せそうな巻き毛の赤子も、

酔いつぶれる 投げやりの女も
眠気に抗い、


 そのだれもが、美しい
女たちのすがた 女ゆえ
そこに あなたがいて
最上級の美しい女たちがいた







自由詩 美しい女 Copyright 月乃 猫 2026-01-10 20:48:05
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