きゃしゃなだけのドーブツ
百富(ももとみ)

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 均一空間は、いい。マクドナルドにいると、全員マクドナルドになっている。自意識も夢心地も千差万別のフライドポテトみたいなものだけど、どんぐりのせいくらべだ。



 ポテトフライを連続で、おくちに運ぶような作業は淡々とタンバリンをたたくことと似ている。ルールブックがないと、ぼくは自分を定められない。



 アニメーションがすきな子どものぼくへと、なにが面白いのだといって、お隣りでチチはだめだしを続けた。スピーカーでながれる音楽は、いつでもチチの好むものでなければならないようだった。



 実家に置いてきた迷いごとから花の芽を摘みたいこともある。



 この街には樹齢1200年のいぶきがある。大樹に宿る眠りの意識が、街の住人へとパワーをお与えしているのだろうか。ぼくに関わるひとびとのひとのよさについて想う。



 雨の日もお部屋の換気をしていたい。寒さでおののくことがあっても、おそとの空気にふれないと途端にぼくは消沈するのだった。



 就労継続支援B型事業所への見学の予定がある。リモートでイラストレーションをおこなえるものだろうか。あらたな出逢いを求めぬ姿勢に、ようやく気づきはじめた、ぼく。



 ぼくを光りととらえたひとに、眩しいものを責められることもあった。楽観に焦らしの作法はいらない。狡猾となれない素直さが自閉症の誇りなのであるから。



 ハンバーガー、外食は決まってマクドナルドへ。晴れた日日は図書館まで歩いてゆこう。雨の日に沈殿するのもいいね。



 誰も知らないぼくのこと、ぼくも知らないようなこと。鈍すぎる感受性を、なお鈍らせることの多くを目標にしている。



 からだの意識が遠いから、いつでも丈夫にできている。タフな仕様ぢゃないですから、ぼくにもできること、それとないことだけど。



 自分の稼いだおかねでなけりゃあ、進学すること、ままならないと知ったから。春の入学を断念しても、定時制高等学校を諦めないで生きてったい。



 あまえたゆうて、窓を開ける。景色にそうっとくちづける。みえないことでも、ちゃんとみていた強さもあっていいものだと、鈍くて弱くてきゃしゃなだけのドーブツみたいなぼくについて想う。

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追記:
 お部屋のカーテンが揺れている。照明はけしてある。きもちい。

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散文(批評随筆小説等) きゃしゃなだけのドーブツ Copyright 百富(ももとみ) 2026-01-07 14:00:02
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