風の慟哭
りつ
風が哭く
風が呼ぶ
いなくなったあのひとを
返せと咽び泣く
地の果てまで探しても
どこにも姿を見つけられないのだと
宙のてっぺんまで吹き抜けても
影も形もないのだと
絶叫しながら
風が哭く
風が呼ぶ
あんなに幸せに満ち足りた日々が
何故に霧散してしまうのか
未来は希望だったはずなのに
胸に宿った僅かな灯火を欠き消して
私を絶望へと置き去りにするというのか
愛したことは嘘だったのか
千の荒野を隅々まで
七千の島々を隈無く
海も山も網羅して
狂ったように捜し尽くしても
あのひとはいない
今夜も風が
荒れ狂う
あなたが恋しいのだと
鬼哭する