風の慟哭
りつ

風が哭く
風が呼ぶ

いなくなったあのひとを
返せと咽び泣く
地の果てまで探しても
どこにも姿を見つけられないのだと
ソラのてっぺんまで吹き抜けても
影も形もないのだと

絶叫しながら
風が哭く
風が呼ぶ

あんなに幸せに満ち足りた日々が
何故に霧散してしまうのか
未来は希望だったはずなのに
胸に宿った僅かな灯火を欠き消して
私を絶望へと置き去りにするというのか
愛したことは嘘だったのか

千の荒野を隅々まで
七千の島々を隈無く
海も山も網羅して
狂ったように捜し尽くしても
あのひとはいない

今夜も風が
荒れ狂う
あなたが恋しいのだと
鬼哭する


自由詩 風の慟哭 Copyright りつ 2026-01-07 01:56:18
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