遠ざかる飛行機
花野誉


見上げた青い空

雲一つない

白い飛行機が飛んでいく

思い入れなく見つめる

清々しい光景

あの日──

バイクから見上げた空

遠ざかる飛行機

手の届かない人になったと

頰に刺さる冷気が

念を押すように

冬の伊丹空港

雑踏を行く後姿

ふいに振り返るその人

まるで切り取られた

美しい一場面

赤の他人なら

きっと、そう

胸の奥に押し込まれた

さようなら

頭の中は真っ白のまま

笑顔で見送った

今は気楽に見上げる青空

そこを行く飛行機は

ためらいなく

高く 飛んでいる











自由詩 遠ざかる飛行機 Copyright 花野誉 2026-01-04 12:56:38
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