わいてくるもの
杉原詠二(黒髪)
俺の脳みその底から
力がわいてくる
野生あふれて
洗練された
長時間共にいるのにふさわしい
光輝く力
俺の体の底から
感情がわいてくる
今まで感じたことがないほど
落ち着いていて
何ひとつ逃さない
鳥を捕まえる網のような
それは緑色の細いビニール紐で出来ている
俺の心の底から
大切な気持ちがわいてくる
誰も差別したり
攻撃したりしないような
ある人からもらった
最も立派な価値
何ひとつないものはない
治ってみれば
未来の存在は約束されている
レイトショー
想像でデート中
おしとやかな女性と一緒に
最後まで見て
満足しよう
途中で眠くなってきたから
頭を預けようかな
俺は
ちっぽけで
襲われたら死んでしまうような
脆い生物
だが
それを防ぐ術は
持っている
最後に頼れるのは
頭と体と心
自分の価値を信じ続けて
誰もが自分自身と心中するのだ
避けられない自負心
映画館を出たら
月と星が出ていた
今日の夜は明朝には終わる
それまでは
心を磨いて
生の中に
大人しく座ろう
最後のダンスを踏み終えるのは
まだ先の話
だから涙を流すんだ
美しいリズムに乗って
旋律を歌うんだ
大切な時間を
取り戻した今
詩の一節が
頭に浮かぶ
俺が共に心中するべきものは
詩だ