もうひとつ
ゆく年の
節をみつめる時
執着する思い出を
きれいさっぱりと
忘れ物にならないように
つぎにつながることも
ありませんように
今年を詰めていく
夢をもたらす 春の花の種
あきらめに 描きかけの静物画
幸運という 抜けた猫のひげ
銀を失った 錆びたスプーンと、
歩き疲れた 継ぎ接ぎの靴下
音を失った 鐘
埋めつくす
その小さな空間に
体積はさまざまで、
重さは、重要な比重をまし
利便性など問題にせず
悲しみや惨めさに 争いや後悔ならなおさら
隙間に詰める
まして喜びや楽しみなら
留め置きたくなるので、
大切なものから
先に入れる
もう開けることのない
箱は、いっぱいで
今年最後の 蓋をする
小さな年号の札は、白く
紅い紐につけたして、
あらたな年の用意に
空箱と
年の札も、
中は無限に広がり
ひとつだけ 先にいつも入れるもの、
新たな年の
祈り
待ち望む
この時に、
皆さま良いお年を
お迎えください