無様
鏡ミラー文志
刀鍛冶職人が、納得出来る刀を研ぐまでの年数
一本につき、約十年
ネトウヨが、その悪意を吐き散らすまでの秒数
一文字につき、約0.1秒
花火職人が、世界に喜びを届ける作品を完成させるまでの日数
一作につき、約一万日
大食感が、ポテトチップスを口に含むまでの分数
ポテチ百個につき、約三分
ダンサーが人前で納得のいくダンスを披露出来るようになるまでの月数
一回のターンにつき、約五ヶ月
男と女が互いの精子と卵子を絡ませ、出来ちゃったするまでの時間数
たった一人の子供につき、約二十四時間
耐えて耐えて耐えて、忍んで忍んできた人々の持つ年季と誇りと
発散して発散して、解消して解消してきた人々の持つ幼さと虚栄心と
恥ずかしくないのかい?
あの太陽睨んで、ありがたいと思うか? ただ、眩しいと思うか?
恥ずかしくないのかい?
あの雲は雨も降らすし、日照りから我々を守こともある
感謝すること。耐えることしなければ出来ないこと
親に、産んでくれてありがとう
友に、付き合ってくれてありがとう
先輩に、仕事教えてくれてありがとう
月に太陽に神様に、僕たちを守ってくれてありがとう
みんなみんな、ありがとう
それがない人生は、酷だ、無様だ……