恋する林檎
atsuchan69

三丁目二番六号付近の路上に林檎を置いた
いつか君と出会うための魔術だ

御堂筋を渡る、四丁目のあちこちに足跡を残す

南船場四丁目をさらに巡回する

反復は呪われた想いだ
破れた地図の永い時間を跨ぐ

ふたたび大阪農林会館の前にいた

いつか君が林檎を拾うのをイメージする
やがて瞼に呪いが焼き付く

そして今も林檎がそこにある

もしも林檎を拾ってしまったら、
地下のイタリア料理店で待っていてくれ





自由詩 恋する林檎 Copyright atsuchan69 2025-12-19 08:32:13
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