焚き火
atsuchan69
粗末な哀しみを夜に浸し、
柔らかくなった端くれを口へ運ぶ
牛脂の付着した鍋に、
豆と小麦粉、
岩塩を加えてシチューを作った
焚き火に、美しい魔女が裸で踊っていた
火のそばが母のぬくもりに思えた
燃え盛るゆらめきの中で、
硬い干し肉を齧る
バーボンとビスケット、
赤いレンズ豆だけのシチュー。
もうじき懐が潤ったら、
酒場の二階へ上がり
派手な化粧の女を朝まで愉しませてやる
それまでは、バーボンが相手だ
夜の寂しさよ、
もっと近くまでやって来い
朝になったら、おまえとは他人だ