二人乗り
たもつ
リンネルの
浅いシャツ
荷台に腰かけて
夢見るように
夢を見ていた
わたしにはいつも
掴めるものが
用意されていた
時々それは
誰かの手や背中
時々それは
雲の切れ端
はぐれないように
迷わないように
身の丈にあった太陽の光
生きていることの
匂いを嗅いだ
心が軽くなる
心より軽い
身体が消えていく
風景と見分けがつかない
わたしたちはもう
誰かが見た夢の
余韻だった
自由詩
二人乗り
Copyright
たもつ
2025-12-09 06:46:58