うた
りつ

おいでよ
ここへ
何か一緒にうたおう
なみだが溢れるならば
もっと泣きながら
嬉しくて舞い上がりそうならば
喜びのままに
あるがまま
あるがまま
誰もこころに嘘をつかなくていい
それが詩だから

夜明けは残酷なほど
平等だ
優しい夜も
蹲る夜も
等しく明けてしまうから
息を潜めて
カーテンの中
白々、昇る陽を
見つめている

生きるという意志もないまま
流されるだけの今日だとしても
みんな立派なサバイバー
流れの速い濁流に
浮いているだけで充分だ

足どりが重いひとも
誤魔化しながら
歩く一歩が
憩う時間を連れてくる

夜が安らかでありますように
朝が暖かくありますように

月に星に
太陽に空に
ひとびとに
うたを捧げる


自由詩 うた Copyright りつ 2025-12-05 22:07:00
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