暴動
あらい



まるで誰かが読んでいた続きを持つように
ひとつ息をのむ ひとひらが、ふっと反転する

白線の胎動よ、屐声と馳せ来し
未生の律動をもて游ぶこの手
域をひらいた軛をほどき
舞いあがり地にかえる
ただ、どこまでも うつろう
その足はなにか求めている

躰より魂は 一歩分 まえを行く
そう 夜がね、一度くると 二度と帰れない
半磁器のからだはひんやりと似合うかしら

どうして? 
そう聞かれることがある
でも、海辺のまちに住むあなたは
むかしから大した理由はない
頬をかすめ あしうらに纏わる
それだけ うなづくと 遠ざかるから

疑卵ではどうしても 強度が欠けるの
汚損したガーゼに被覆した指を折りながら

ようこそ、ようこそ、まもなく。葬列だ
はぢけるように 予測不可能な軌道をえがく
みづをうしない しんのようにかわく 
不揃いな歩幅よ いまは無垢の破片と
この形が、私の死であり、あなたの手であり

めがさめる
きずくとあるく
そらはあおい、 
しろい砂浜はなぜか
くもひとつない火もあれば
とつづく。坊や、 
あんたも〝さがしてる〟口かい
しるよしもなく
おもいだせないその先に
かすんでしまい、 
黙りこんだ自分は。
それから

象徴はねむる藻のように 深くなる
くろい脈が ながれるよ くさりちぎり
カゲは星々がいきを吸う 壁へ爪をそらせ

風が生る。きれいに片付いている 
陶器の皿には なにも乗っていない
わずかに弾むなか 花の茎 一房
いまやさき いまだくもなく ひかり


自由詩 暴動 Copyright あらい 2025-11-30 19:08:16
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