独り言11.30b
zenyama太郎

○「子供の頃の記憶」

寒くなって来ると
子供の頃の記憶が浮かび上がってくる

今は
軽くて薄くて暖かい布団に
包まれるように快適に眠っているが
子供の頃の布団は
重たくて固くて冷たい布団であった
布団に押し付けられるように寝ていた記憶がある
この布団の中で僕は毎晩のように
明け方に世界地図を書いた
じわーっと暖かい液体が
下半身に広がっていく快感は
今でも記憶の底にこびりついている

子供の頃の便所は
外便所で
寒いなか一旦
家の外に出なければならなかった
玄関の戸をおそるおそる開けると
月と星が寒々と輝いていた夜が思い出される
しかも汲み取り式の便所だったので
尻を出してしゃがむと
下から寒くて臭い冷気がすうすう上がってきた
寒さと怖さでとても行く気にはならなかった

朝干してある布団の世界地図に
僕の子供心は
深く傷ついた






自由詩 独り言11.30b Copyright zenyama太郎 2025-11-30 07:52:31
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