夜は優しく
りつ
部屋から
電車の走る音を聴くと
安心する
疲れたひとびとが
ゆっくりと
家路を辿っているようで
これから癒す眠りにつくひとびとや
眠れずに夜通し起きているひと
いろんな葛藤があり
笑いがあり
そんなたくさんの想いが
夜を駆けてゆく
夜が優しくあれば良い
否応もなく
朝はやってくるのだから
できるだけ
夜は涙を包みこんでほしいと
微かに祈る
冬の星は鮮やかだ
冴え冴えと輝きながら
オリオンの三ツ星が夜の目印
昼の喧騒から
解き放たれた街は
静かに沈みながら
バラードを唄う
そんな
ある夜の
ひとりごと