夜は優しく
りつ

部屋から
電車の走る音を聴くと
安心する

疲れたひとびとが
ゆっくりと
家路を辿っているようで
これから癒す眠りにつくひとびとや
眠れずに夜通し起きているひと
いろんな葛藤があり
笑いがあり
そんなたくさんの想いが
夜を駆けてゆく

夜が優しくあれば良い
否応もなく
朝はやってくるのだから
できるだけ
夜は涙を包みこんでほしいと
微かに祈る

冬の星は鮮やかだ
冴え冴えと輝きながら
オリオンの三ツ星が夜の目印

昼の喧騒から
解き放たれた街は
静かに沈みながら
バラードを唄う

そんな
ある夜の
ひとりごと


自由詩 夜は優しく Copyright りつ 2025-11-24 22:58:59
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