照点
りつ
万華鏡を廻すと
次の結晶が像を結ぶように
調子っぱずれのメロディは
次の照点へと向かい始める
狂った時計が夜を告げている
午後9時の騒めきは
書くことばに不協和音を混ぜる
純粋を望むことなど
とっくの昔に忘れ果てた
ただ、
踏まれても踏まれても
決して折れない花がある
肩のちからを抜いて
凝り固まった思考をほぐして
私へと潜ってゆく
たったひとつのことばを探して
流れに添う旋律を選ぶ
ことばに息を吹きかけ
情熱のままに置く
誰かに届けと
祈るような想いで
与えることで
宿るいのちがある
さあ、
万華鏡を廻そう
繰り返し繰り返し
ウテナを昇っていくように