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月乃 猫
張りつめた銃声の
重くのしかかる 緊迫が、
涙となって
少しずつほどけていく
野生の 最後の それが亡くなった報告は
他に行き場もなく 認定された
蔓延する
殺戮に悲しみは喘ぎ
憎しみも 憤りもそれを純化した
痛みは、やり場のないつらさと
恐怖をつのらせ
誰もが、それを排除する道に
うなずき、
食い散らかされた 果樹園も畑の農夫の
徒労のため息も、殺戮を受け入れ、
殺されたものの家族の 怒りは
鞭打つ対象に ためらいの指をさし、
野生の 国の 島の 狼たちが絶滅したように
それもまた、この島から 死に絶えた 。。
子供たちは、地雷のような箱罠も
防護服の重さに耐える通学も
もうせずにすむと 喜び、
大人たちも
フェイスガード付きヘルメットなしの外出に
心より安堵した
絶滅危惧も
それとの共生も
罵倒にさらされ、暮らしの安寧の考慮は
処分の最善の道に集約された
それは
ひとつ ひとつ
数えるように
排除され 今を迎えては、
もう里より 森より 消し去られた
夏の暑さの因果と
真実の理由のはざまで、
繰り返されることのないように、
道をてらす
ふたたび 銃声が支配する
殺戮の森が
やってこないように
眼をさます