血
こしごえ
鏡台のまえに座り
紅をひく
雨音が
静かにへやを満たす
なにをするでもなし窓の外へ目をやる
何億年もの上空で
移ろうおもいが重さをもって降ってくる。
そう何かで読んだことがある
これはどういうことか
唇が変に歪むけれど
ちん
と
響くだけ
(宇宙のみる夢か)
漂っているのだ
(わたし)
庭の花がゆれていた
いとしさは形を変えて現れている
わたしもそう
とぎれることのなかった血をもって
歌う
花びらは
紅く紅く
雨に 染まる
個人サイト「As H System」掲載
自由詩
血
Copyright
こしごえ
2005-06-03 05:21:18
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