航海
たもつ



水溜りがあった
大きな客船が浮かんでいた
甲板からあなたが手を振っている
わたしも泣きながら手を振り返す
別れには涙が必要な気がした

数日後、水溜りはなくなっていた
船の穏やかな航海を願った

もう帰って来ないあなたがいるのだ
夕食をとりながら
あなたとそんな
お話をした



自由詩 航海 Copyright たもつ 2025-11-11 08:00:49
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