唐草フウ


ひっそりと今夜、また
命日がふえていく
うつむいて
みあげて

思い出す予定はなくても
11月の冷えた溜息が
鼻を 服のすきまを ツンとさわってしまうから
真夜中の華奢なシルエットが
歌い 羽ばたく
何度もこぼれるありったけの 笑顔を見せて
あなたはしっかり 澪を作った

そしてわたしは、また
今夜を投げ出したくなって
みあげて
うつむき頭を下げている










自由詩 Copyright 唐草フウ 2025-11-11 03:35:11
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