むすめ自慢
月乃 猫



一、 娘は 見目麗しく
    寒さの夜さえ
    せつなく 手を伸ばし 
    家の近くの男たちを徘徊させる

一、 化粧気など 少しもないけれど、
    美しく それはきっと
    洗顔を怠らないから

一、 やさしく
    私がどうしょうもなく
    眠れぬ つらさに、
    すぐ気づきそばに 寄り添い
    語られない慰めの声に 
    悲しみが 壊れていく

一、 誰以上に 身体能力がたかく
    脚力も素晴らしい
    もし 100メートルをためすなら
    ええ、10秒台も夢などではなく、
    助走もせず
    1.5メートルの垂直を飛び
    大人たちを驚かす

一、 静寂に負けず 耳をむけ
    隣室の音をじっと聞いていたり、
    闇に 眼も優れ
    無情の時を みつめる

一、 昼寝が大好きな よく眠る姿
    その幸せそうな寝顔は、
    私に いっそうな喜びをもたらし

一、 まねしようとしても
    できない 耳を後ろに向ける
    特技さえ可愛い

一、 夢の続き
    きっと楽しい瞬間にちがいなく
    ぱたぱたと動く
    娘のしっぽのリズムに
    幸せを知る

一、 血は、つながらなくとも
    私の娘となってくれて
    心より ありがとう
    未来永劫
    私の娘で いておくれ、






自由詩 むすめ自慢 Copyright 月乃 猫 2025-11-08 20:21:19
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