しくじり日記
花野誉
仕事をしくじった
あれだけ丁寧にやっていたのに
しくじった
心苦しさが胸を重くする
このオモリを抱えるのは
なかなか無いことなので
自分を観察することにした
・
当日
帰宅後、晩御飯を作りながら
時折〝しくじり〟を思い出す
献立は
きつねうどん
竹輪の磯辺揚げ
豚肉と白菜と白葱の蒸し物
ぜんぶ食べた
我ながら美味しかった
食事中は〝しくじり〟は忘れていた
入浴中
〝しくじり〟の対処を考えながら洗髪
お湯に浸かりながらも考える
髪の毛を乾かしながらも考える
寝る前
少し思い出しつつ目を瞑る
夜中 トイレに起きる
〝しくじり〟は思い出さず
翌朝
起きがけは、すっかり忘れている
朝食は
四ツ切トースト一枚
納豆
味噌汁
目玉焼き
ぜんぶ食べた
メイク中〝しくじり〟を思い出す
音楽に心を宥めてもらいつつ
対処方法を考える
昨日の〝しくじり〟に
悩む人がどれくらいいるだろう?
そんなことも考える
出勤後
職場にて対処するも解決せず
これ以上、穴が広がらないよう
新たな対処と周知をする
帰宅後、晩御飯を作る
献立は
オムライスとクリームシチュー
ぜんぶ食べた
今夜も美味しかった
食後に
大福餅ひとつ
抹茶とともにいただく
入浴
ゆっくり浸かる
頭と首のマッサージもする
・
どうやら今回の〝しくじり〟
暗澹たる思いに縛られたのは
翌晩までだったらしい
やるべきことはやっている
あとはなるようになる
未だ解決せずとも
この気楽な心のありようは如何に