遡皓譜
あらい
あなたのゆびは、わたしのうなじを
ゆわれていた 脈、が 夙くだち
ついな 帆布の つぶら に、
ふれば 湿り。みれば 灼ける
うすくな ッ ――てゐく。ふちへ
すこカドが やわ かく、すべり
揺れる。ちゅうで15
ずむずむ と さわり
蜉す、ねむり駅で 汲まれる
椅子にかけ 貝殻と しんと耳朶
這いだして く るう。やさしい
ひとりぶんの ――。あと、という
タイルにつけ 風にみる礫詩を
いくつもまぶしていた丹が剥がれ
ざらついたサンダルで歩ける
端についての一章を(仮)に、握る
図書館は海になりたがっている
むかし、尾のない街がひとつ霧を借りに
「あの」と言いかけて、細く
たよりなく、くつひもを結ぶ灯台になる
汐の匂いがする窓 なりすまし、遊び
裁縫室にていま、宙に散らす
おぼえていたことをもう、忘れてく
やわらかになりすぎた机の傷に擦れて
くしゃくしゃに、ほどいてしまったらしく
じぶんではなく たにんになったあとの
わたしだっただれかの影をひきずって
会話は三十年前に終わっている。
うれま」たみたいな「つくにわりつて
ぐるう、と ななめのだんのをぼる
その香は中空で、さよならが途切れる
もともと手紙だった ガラスに白檀
鱗翅の寄木細工 くみあわさらない
あさいとは驟雨に、ちえのわのくし
イ二シャルの代わりに、浮雲としいて