休憩と宿泊の間には今日も火球がふっている/鯖詰缶太郎
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サバカンさんの詩的言語を、真正面から批評として料理するのは
むずかしい。鯖缶なのに。「鯖缶なのに」という言い方はちょっと
変だろうか。鯖缶を使ってうまく料理するのも、そこそこむずかしい。
サバカンパスタにもジンクスは存在するわけで。
しかしなんという特異な享楽さであろうか。この詩の内部には、
常に視点がうつろう。くるくると回転し、決して一点に留まらない
精神がここにある。
>「渋谷は
>火球がふっているから行きたくありません。」
この書き出しにしびれる。思わず「たしかに」と一人ごちる。
ひと昔前たまに渋谷で見かけていたマリオカート族(時代を感じるね)
ただ走ってないで、暴走すればいいのにといつも思っていたのだけど。
かつて平成の渋谷というのはたしかにゲームの街だった。
>深夜アニメの美少女の設定で言った
の「設定」という語感にも、いかにもなヴィデオゲームっぽさがある。
いっぽうで、総体的には最狂の罰ゲームという感じも受けるのだが。
本当はいまだってセンター街に繰り出して、JC達と戯れたいのだけど、
そいゆうのが赦されるキャラでも年齢でも到底ないので。
実行にうつせば逮捕されて終わりだ。
なにをやってもゲームオーバー、ゆえに、何もすることがない街、
おっさんには冷たい街ですよ渋谷は。
>あの「渋谷」というのは
>渋谷区の中には収まっていないんじゃない
>だろうか
平成以降、ダウンタウンも浜崎あゆみも存在しえなかったように、
平成以降に「渋谷」はないのかもしれない。
ユーチューブでヒカキンが謝罪しているのをよそに、まっちゃんの
「とうとう出たね。。。」のトーンがガチすぎてやはり本物だと確信し
ましたね。尻の軽い女は口も軽い。覚えといた方がええで男たちよ。
(アウトやないですか...)
>「すべて、あなたのためで、
>わたしは、
>ワトソン君をやればいいの?
>私の手記では
>あなたを「正確」に
>「歴史」にはめていけるか
>自信はないけれど。
>報酬は高くつくよ。
>他人の時間を、
>ただ、だと勘違いしている為政者が
>「生きている間」ずっと、玉座に座り続けて
>いられないように
>「報酬」は高いよ。
>で、どこにふりそそげばいいの?」
>あなたの「中身」を押し出す穴を
>押し出す時、
>あなたの「アウトプット」から
>ぬるとぽ、ぬるとぽ、出てくるサイコロは
>7や15などの
>ちゃんと予測がつかないよう、
>悲しいくらいに一貫性のない数字を示す
資本主義の選別の関数が盲目的に動くなかで、歴史の展開は誰の目
にも見えなくなる。終末論的にそれら壊れ物を扱うように結集させる
ことで、それは一見「貢献」のように偽装しても、実のところ
マッチポンプで最初から閉じたゲームでしかない。解放を目指せば
目指すほど自閉していく。椹木野衣曰く「悪い場所」は、まさに
この構造を指している。
>「火球?」に出会った時のように
>凝り固まる
>「YOUNG」の綴りを変えてしまえば
>ただ老いていくだけだと
>信じているサイコロは単純明快、明朗会計、
>1から6までを出し続ける
>その安心感を抱く。
>その安心感が乖離しないように
>ぼくらはそれ用の「契約」を結ぶ、むすぶ、
>結ぶ
>ほころびをごまかすために
>あくまでも
>「契約」がしっかり甘くなるように
>蜂や、ホテルや、「契約」や、麻酔を
>しぼったものと、混ぜる
>利他的にみせたのに、
>バレる傲慢さを、焼却するように
>「で、どこにふりそそげばいいの?」
渋谷ではいろいろな目にあってきた。そのいちいちが「火球」だった
という自負は、結構あるな。それらは友達でも女でも先輩でもなんでも
なく、みないちように「火球」笑。渋谷はどう森ではありえず端的に
ストファイである。
>「約束か、秘密、守れるの?」
>片言て聞き返される。
>からい。からすぎる。
世の中は可処分時間を奪うためのコンテンツであふれているが、社会は
暇人を置き去りにして、途方もないスピードで動いている。できる者は
上に昇り、凡人は淘汰されていく。システムは誰にも期待などしていない。
ただ「試す」だけだ。忍耐させて生き残った僅かな人間にだけ、それなり
の形の花束を与える。とどのつまり同意か敗退か。成長したい人と凡人。
>本を閉じるように耳を閉じる事もたやすい
>閉じたまま
>「きみをあいしている。」と言ってみる
この一節を読んでユングの「なぜ手に入らない存在ばかりに出会うのか?」
という話を思い出した。男が忘れられないのは女ではなく「女の影」
(男性の内なる女性性としてのアニマ)なのだという、あれである。
若かった頃は、金曜日の夜に、よくひとりで渋谷に行って、スタバでゆっくり
読書をする等していた。疲れ切って何もやりたくないし、何も考えたくない
気分だから。私みたいな凡夫にとって、渋谷は何もやることがない街だから。
目に映るすべてが無関心だから。だから、からっぽになれる気がして。
>それはわからない
> わかりたくない
> しらないほうがいい
> ためすのか、ほんとうに
> まちがえてはいけないものを
> うたえるだろうか?
透明な切なさがある。