讃歌
本田憲嵩
かぜのつよい日の、
晩秋の白い寒空のした、
剝き出しのコンクリートの壁に、
ただじっと、
垂直に命(いのち)している、
垂直に命(いのち)している、
冬、
という死の季節がきわめて近づいてきている、
からこそ、
くっきり、 と浮き上がってくる、
その生の輪郭、
飛蝗よ、
その、
けっして諦めたりはしない、一途な頑固さと逞しさ、
そんな生命がだいすきだ、
自由詩
讃歌
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本田憲嵩
2025-10-29 22:59:23
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