散歩
りつ

公孫樹が色づき始めた
少し冷たい朝
アイスコーヒーとホテルブレッドを齧る
冬でもアイスが飲みたい私は
自販機のコーヒーがホットばかりで
困ってしまう

秋色の街を歩けば
髪を切った分だけ
こころが軽い
ショーヴィンドウは冬の装い
マフラーやコートが目立つ
服を見る振りをして
風が遊んだ髪を整える

晴れの日には
伸びやかなメンデルスゾーンが
空に羽ばたいてゆく
足取り軽く
私も駆けて行こうか

角を曲がれば
新しい景色
まだ見ぬ出会いが
待っていそうな気がして
少し緊張する

顔には微笑み
焦らずゆっくりと歩く


自由詩 散歩 Copyright りつ 2025-10-29 19:56:00
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