散歩
りつ
公孫樹が色づき始めた
少し冷たい朝
アイスコーヒーとホテルブレッドを齧る
冬でもアイスが飲みたい私は
自販機のコーヒーがホットばかりで
困ってしまう
秋色の街を歩けば
髪を切った分だけ
こころが軽い
ショーヴィンドウは冬の装い
マフラーやコートが目立つ
服を見る振りをして
風が遊んだ髪を整える
晴れの日には
伸びやかなメンデルスゾーンが
空に羽ばたいてゆく
足取り軽く
私も駆けて行こうか
角を曲がれば
新しい景色
まだ見ぬ出会いが
待っていそうな気がして
少し緊張する
顔には微笑み
焦らずゆっくりと歩く