秋葉竹


庭に雑草が生え
それでもかれらも懸命に生きているんだから
とかテキトーないいわけして
日々その成長を眺めていた

ふと目のなかに入ったのは
一輪の茶色の花弁を持った花だった
ちいさな
よく気をつけてみないと
み逃してしまうほど目立たない
ちいさなちいさな花だった

意を決して庭の草抜きをした
晩夏
汗にまみれながらやり終えて
その茶色い一輪だけの花をみた
なんだかくたびれただれかさんみたい
そう想った瞬間
その花を抜いていた

ゴミ袋の中に
ほかの雑草と同じように棄てた
庭は少しは綺麗になった
庭に一本ある
金木犀だけはいつのまにかに
2階に届くほど大きくなっている

こいつもそのうち切ってやる

子どもの頃教科書で読んだ
『鬼婆の笑い』を
わたしは笑った








自由詩Copyright 秋葉竹 2025-10-25 06:39:18
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