所在
たもつ
右、心房に届く
夜明けの海を
寄せては返す
ブランコたち
知らない
光の
所在なんて
笑う唇の端に
救急車のサイレン
初めてキャベツを
買った日の静けさ
何も無い
代わりに
うがいのように
話す
生理食塩水の
片隅から
つま先へと
落ちていく重力
折れた草の続き
光が光になる時の
ささやかな産声
それは時雨れた
ある日のことでした
皮膚に包まれた
柔らかな体温でした
振動する呼吸の中で
手を使う
花を
摘むだけなのに
自由詩
所在
Copyright
たもつ
2025-10-24 06:34:49