またたく聖域   蒼風薫
梅昆布茶2

 宮目に少なくとも毒はないらしい色とのあどばいす
私の顔立ちを思ってのこと

とにかくお前は黙っていろとのアドバイスは

男友達からしばしばもらっていた

ちゃんと頷く。  そしてみんなで遊びに行った

の飲み屋だったり
 
もっと大勢の見知らぬ人々の中へだったり私は

忘れっぽいし   言いたい言いたい言いたいことは
たくさんできる

  その場で凄出刃過ごすほど
許される時代が終わって幸いな
ことに

私はアルコールが先天的に無理だった
付き合いからは水から遠ざかり
今寂しくてたまらない


あと一つのアドバイスも思い出す
タバコは似合わないよ

老若男女を問わずに気にかけてくれたことだった




案じてもらえて  それを

蹴っ飛ばしてきて
今更どこへか、あてもない
失ってしまってから

ブラームスの話をぶち壊してくせなき須田ケージだいう場は失ってから

   ブラームスの方が良くなった  けれど
そして今 寂しくてたまらない
     冬茜

明日を見たい
当たり前の単なる明日を見たいな

私は市井に溶け込んで

当たり前に八百屋で大根を買う

ネギを買う  人参を買う
肉屋では豚コマを

今と同じ一人分でも

みんな馴染みのお店『お姉さん。  これが今日安いよ』

「奥さん、  それがいい』
支払っても残るお財布

1円単位の心配のないお財布

「今度ついでがあってそっちまでいくけど?』

『寄れる?』「嫌がるかと思って』母さんったら


今日を見たい

当たり前の単なる今日を見たいな

私は憧れの市井の中にあって

人波を生きて

あたり前の今日の風に揉まれて

人と波に生きて  冬の茜に込み上げるものは

ちっとも過剰じゃない涙


 それでも私は知っている

短いコメントで殺人はできる

騙せるやすさと同じこと、

言葉なんてクソだ!

人間失格てあるよね

興味持てなくて、嗜みかなとは思ってるんだけど読んでない

ただ、タイトルだけ見て思うにものすごい自信家じゃないかって



僕なら自分を『存在失格』としてるから

人間じゃなければ良いのかいって  訪ねえみたい

僕なら  この命の全てが間違いだった
例えば1っぽんの釘としてだって在るべきではなかっただろう

そうだね、釘は大切な仕事をしているもの


それなら何に例えたら

まさか何にもなんてそればっかりは言わないでほしい頼むから

それでも  どうしても。 やっぱり何にもなかったのなら

君に最後の頼みがある
ありがとうございます  ありがとうございました

それだけ伝え絵欲しい

優しかった人たちに

時に部屋を訪れてくれた花たちに

いつもクグクエオ歌ってくれた命と人知に カンズメの缶に

内定な言ったら嘘になるいま

本当は

迷ってるとても迷ってる

こんなに泣いてる

自分のためなんかじゃないよ

もちろん、自分のためなんかじゃないよ  生きる



心はどこにあるのだろう
心は海に暑のだろう

今朝の静かな潮では

私が時を遡り

大人の靴を履いたまま

探しているのは子守唄

すでに無数のお魚は
シャンパン色の夢の中


けれども一人の私は
六つの日々と手を繋ぐ

靴を脱いではいけないよ

それだけはしてはいけないよ

声する方を求めると

網にかかったお魚が
未だに死なない心持ち

どこかへ向かって諦めて

諦めきれずと諦めて

しょっぱい涙を振りまいて


涙より気楽な稼業はないのだと

涯のなく終わりを数えず

泣いて置くための未明


さよならさえ覚えなかった別れの数々

その全ての翌日の街中で私は笑って見せた
私だけのために

気が変わらないように  確かであるように  と嘯く

ポケットには

時代錯誤なプリペイドカードの束


父さん

なぜこんなにも

路傍の石よりも軽い私の


路地裏の娘その後


紅葉が眩しく感じられる頃が好きだ

その輝きはきっと涯をよく知っている

憧れは憧れのままにいつも

同じ道をゆく  あの日々の
路地裏の娘のままの

行き止まりはどこにでもあって

そこを透明な風として抜けるすべを知っている

そのまま

消えた女になりたい  帰りたくない


あてのなさを一つ歌えば

自販機も微笑むはず  お釣りの撮り忘れ


ありがとうと見知らぬ人に  ありがとう


そして集まったコインたちで私は粗大ゴミ処理券を買い

明日からの十二月に備える

予定のない  私のためだけの十二月に














自由詩 またたく聖域   蒼風薫 Copyright 梅昆布茶2 2025-10-23 18:21:36
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