りつ

私たちは
軽く口唇を合わせたまま
呼吸を繰り返し
徐々に溶け合っていった
あなたは私で
私はあなた
腕が溶け合い
胸が溶け
腰はひとつになり
脚は絡まったまま溶けた
そうやって光合成しながら
ひとつになった身体中に
血潮のような
情熱のような
一生に1度しか咲くことができない
鮮やかな赤い花をたくさん咲かせ
実を付けずに枯れ始めた
恋が死を以て終わるなら
一瞬に似た永遠も
いいかもしれないね
そう呟くと
あなたと私は
もう二度と離れることなく
同化したまま長い夢を見るのだった


自由詩Copyright りつ 2025-10-23 05:51:14
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