永遠の美しい男(ひと)
花野誉

薔薇色の日々を与えてくれて
貴方には心からの感謝を

どうしようにも
憧れすぎて
私は貴方になりたかった

貴方が知りたくて
ボードレールを読んだ
それがきっかけで詩を書き始めた
貴方に似た人に恋もした

私の様々な場面を彩り
魂の手を取り誘い
幾重の物語を見せてくれた

二度目の最前列
雪降るライトの下
まるでホログラ厶かのようで

それでも
貴方が目の前
息が触れるほど傍に来て
現実に生きている人なんだと
目眩の中で確信したのに

あの秋 
消えるように去ってしまった

まだ貴方に魅せられている
きっと魂が消えるまで忘れない

数え切れない顔を持つ貴方を
私は繰り返し探し続ける







         (故人・櫻井敦司氏を偲んで)









自由詩 永遠の美しい男(ひと) Copyright 花野誉 2025-10-19 09:44:11
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