永遠の美しい男(ひと)
花野誉
薔薇色の日々を与えてくれて
貴方には心からの感謝を
どうしようにも
憧れすぎて
私は貴方になりたかった
貴方が知りたくて
ボードレールを読んだ
それがきっかけで詩を書き始めた
貴方に似た人に恋もした
私の様々な場面を彩り
魂の手を取り誘い
幾重の物語を見せてくれた
二度目の最前列
雪降るライトの下
まるでホログラ厶かのようで
それでも
貴方が目の前
息が触れるほど傍に来て
現実に生きている人なんだと
目眩の中で確信したのに
あの秋
消えるように去ってしまった
まだ貴方に魅せられている
きっと魂が消えるまで忘れない
数え切れない顔を持つ貴方を
私は繰り返し探し続ける
(故人・櫻井敦司氏を偲んで)