星降る夜に
りつ
星の降る夜に
言の葉を拾う
空気中に取り零してしまった
ちいさなことばを
淡く光っているもの
冷たく重く沈むもの
繊細なレース編みのもの
闇に同化しているもの
そして金平糖みたいな恋ごころ
こころに蓋したはずなのに
いつの間にか結晶になって
こんなにも
あなたが愛しい
あなたに触れたくて
触れてはいけなくて
一生懸命
我慢しようと
背中で両手を痛いくらい
握りしめた
ことばにするのが怖くて
こころの奥に秘め続けた
ためらいがちに
口を開こうとして
いつも黙った
あなたに拒まれてしまうことは
致命傷
それが解っていたから
愛などという
陳腐なことばは嫌い
そんなありふれた安っぽさなら
要らない
生きているうち
あなたにだけ
沈黙を破って告げる
あなたを愛しています
愛よりも尚深く
祈るように折った鶴を
1羽飛ばす
届けと飛ばす
星降る夜空へ