ゆめなかにて
秋葉竹



世の中なんて意味ないくそくらえだよ、
ね、ミイちゃん



赤信号では止まるよね

この街の夜明けに吹く風はやさしく
コロコロコロコロ空き缶を転がす

ゆうべのカレーは美味しくて辛かった
けんめいにうつむき汗かいていた

アルコールっていったいなになの?
なんどやめても
なんどもやめるのをやめてしまう
まるでドラッグだと
それも一番たちの悪いドラッグだと
YouTubeで云ってたじゃん

等身大の痛みをいつも感じる
でも感じるだけだだって
獣は涙を流さないんだから

幻想曲ばかり聴いて終わらない夜を走ります

朝靄を裂くくるまのヘッドライトが
むかし生きていた真夜中をふと想い出させる



絶対負けない戦士になるぜ、って
ね、ミイちゃん



こどくなピエロになってでも
悪魔のちからを崇拝しても
いままでなんどか死にかけて
ただ助かっただけのこれまでだったが

オレンジ色のモノレールが
音も無く走るEXPOからつづく
朝になれば消えそうな満月に追いつく
どこへも逃げ場のない観覧車
あとからあとからおおきな声で

「早く、かえっておいで」

夢をみた
まだ子どものころだった
そこには万国博覧会があり
みたこともない未来が
そこにはあったんだ


夢をみた
そのとき

「生きてくことって悪くはないかな」

なんて
泣いてる夢。




こんどはあなたがいうんだよ、
ね、ミイちゃん









自由詩 ゆめなかにて Copyright 秋葉竹 2025-10-13 19:37:29
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