気づき
◇レキ

朝だ
扉を一つ開け放つ
爽やかな陽射し
冷たい微風

部屋の腐ったへその緒や胎盤
何度も吸っては吐き出され淀んだ思考
それら腐臭を少しづつ解き放つ

世界の約束を分かっていく
凍った水たまりを踏み割っては歩くように

僕はやがてほぐれ健やかになるだろう

僕の歩いている道は
もうすでに人が通ってきた道だ
けれど正しい苦しみ方は
自分で見つけてゆくしかない

世界にこぼれている
慈悲に満ちたほほ笑みは
静かに気づきを促している


自由詩 気づき Copyright ◇レキ 2025-10-12 21:37:44
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