静
りつ
静かな雨が降っていた
ここんとこ
悲しみに荒れていた私のこころを
不思議と癒す雨だった
こんな無音の音を
待っていた気がする
もう存分に泣いたのだから
これで終わりにしよう
私は虹を待ちはしない
虹を待つ暇があるなら
雨と一緒に唄ってる
うん。そうだね。かえろう
名残惜しく
静けさが染みてゆく
時に倒れても
何度だって立ち上がり
背筋をしゃんと伸ばし
微笑みながら
生きていく
私が差した赤い傘が
モノクロームな世界に
ひとつ咲いた
自由詩
静
Copyright
りつ
2025-10-12 00:28:13
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