しぐれ未満
唐草フウ



今日のような
グレー色した雨の朝は
ふらふらふらとどこまでも歩けそうで
均等に立つ彼岸花たちが こっちはあぶないよと見つめてる

やさしい気持ちが見える表なら
裏にあるのは かなしい気持ち
つーっと真っ直ぐきれたなら
やわらかいものを 当てて
ことばにもクッションを

わたしは今日
ストライプの薄い綿シャツを着ているよ
背中にアラビア文字みたいな小さなステッチのある

そんな事はどうでもいいけど
合わせようとして空回り仕様
ああ 晴れていたら
傷にしみながらも ほほ笑めたかも

ホクホクのおいも食べたいな
雨に濡れてもいいから
始まったばかりの秋のベンチに
はり詰めたトートバッグを置いて







自由詩 しぐれ未満 Copyright 唐草フウ 2025-10-11 18:33:24
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