しぐれ未満
唐草フウ
今日のような
グレー色した雨の朝は
ふらふらふらとどこまでも歩けそうで
均等に立つ彼岸花たちが こっちはあぶないよと見つめてる
やさしい気持ちが見える表なら
裏にあるのは かなしい気持ち
つーっと真っ直ぐきれたなら
やわらかいものを 当てて
ことばにもクッションを
わたしは今日
ストライプの薄い綿シャツを着ているよ
背中にアラビア文字みたいな小さなステッチのある
そんな事はどうでもいいけど
合わせようとして空回り仕様
ああ 晴れていたら
傷にしみながらも ほほ笑めたかも
ホクホクのおいも食べたいな
雨に濡れてもいいから
始まったばかりの秋のベンチに
はり詰めたトートバッグを置いて