恋を失う
りつ
髪を切ろうと思います
あなたを想った歳月の長さが
重く私を圧迫するのです
本当は
坊主頭にしたいのだけれど
(ええ、もう、いっそ
墨の衣を着ようかと迷うほどに)
まだ死ぬときではないので
生きていかなければならないのです
想った年月は
長かったのでしょうか
短かったのでしょうか
馬鹿なことに
私はずっと続くと思っていたのですよ
可笑しいでしょう?
それでも
不思議なことに
願うことはいつも同じなのです
幸せになってください
あなたがいちばんに愛するひとが
たとえ私じゃないとしても