恋を失う
りつ

髪を切ろうと思います
あなたを想った歳月の長さが
重く私を圧迫するのです
本当は
坊主頭にしたいのだけれど
(ええ、もう、いっそ
墨の衣を着ようかと迷うほどに)
まだ死ぬときではないので
生きていかなければならないのです
想った年月は
長かったのでしょうか
短かったのでしょうか
馬鹿なことに
私はずっと続くと思っていたのですよ
可笑しいでしょう?
それでも
不思議なことに
願うことはいつも同じなのです

 幸せになってください

あなたがいちばんに愛するひとが
たとえ私じゃないとしても



自由詩 恋を失う Copyright りつ 2025-10-01 16:00:18
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