光る風に戦ぐ影
こしごえ

時々思い出す
あのひとのいのち
あのひとのいのちは
私のいのちを
救ってくれるのです。
私のいのちは
ふたつと無いいのちだと
教えてくれる
あのひとのいのちは
時々あのひとが見せる
光る風
光る風に私の影は戦(そよ)ぐ
そう
愛とは、相手のことを大切に思うこと
あのひとは現在
この世には存在していないけれど
あのひとのいのちは
時々あのひとが見せる
涙雨
涙雨に私のこころはひたる
そう
愛とは、相手のことを大切に思うこと
そう

あのひとのこころを
捨てるということは
私自身のこころを
捨てるということです
故に、私はこころを
拾う 相手のことを大切に
思うということが拾うこと
こころを
こころと
ほほ笑む
いのち




 ※ 初出 2025.09.24 日本WEB詩人会


自由詩 光る風に戦ぐ影 Copyright こしごえ 2025-09-24 10:14:44
notebook Home