自愛
道草次郎
それにしても
いい詩がたくさん
こさえられては
わすれられていくなあ
いい詩っていうのは
よんだらなんだからふわっとして
金木犀みたいな香りがする
知ってる
知ってるよ俺にはそれが書けないし
書くだけの忍耐がない
忍耐のなさが
どこからくるのかそればかりをかんがえ
ぐるぐるまわってるさまが
俺の
だいたいのおそまつな詩だな
おれはおれの救う道はもう
電気をけしちまうことだけとおもう
そんで
ちっさいちっさいものさえも
離れ離れになっちまう
とおいとおい未来をかんがえながらねちまうのだ
それが
ほかでもねえ
いまの
おれの
あるがまま嘘抜きの
ほんとうだ
つまりはおれは
おれのことが
格別
大好きってわけだわな面白くもねえ