風とことばは嘘つき
ただのみきや
土から顔を出した芽のように
意識の端にまだ眠りの殻が残っていた
風を孕んで色あせたカーテンが膨らむと
どちらも淡い光と影
すべるようにすばやく表情を変えた
あなたの顔にはいつもこころが映る
すべるようにすばやく ことばは
こころを変えたのか
影と光がひるがえるように
九月の風にあやされている
ここちよいから真実とは限らない
だけど ( 嘘でもいいから
そんなものを拾い集めに
海にでも出かけようか
日焼けした白紙に並べてあなたの横顔を
(2025年9月13日)
自由詩
風とことばは嘘つき
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ただのみきや
2025-09-13 08:57:06
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