日常の澱
トビラ
黄金の山羊
瞳がこぼれ落ちて
資本主義の留め具になる
ぱ、ぱ、ぱ、ぱらいや
桃の果肉が歯にからまり
白骨体の背骨を舐める
烏骨鶏の朝
寺の水たまりに映る小学生
跳ねる、跳ねる、跳ねる
ラ音がはじける
煙草を半分に割いて
脱皮する昭和歌謡
手毬、手毬、月がほら
畑に落ちたしなびた茄子の
赤いほころびを繕って
ススキの影にまぎれる缶の
文字さえも照らしてる
夜の航路はヨブのように
あたま鼠の鼻先にレゴブロックの兵隊
銃口は相田みつをの言葉を前に
ガムシロップを垂らす
牛だけれど
蹄鉄の跡を嗅ぐ
ポカリスエットは血の製剤
退屈者の目やには