日常の澱
トビラ

黄金の山羊
瞳がこぼれ落ちて
資本主義の留め具になる
ぱ、ぱ、ぱ、ぱらいや
桃の果肉が歯にからまり
白骨体の背骨を舐める
烏骨鶏の朝
寺の水たまりに映る小学生
跳ねる、跳ねる、跳ねる
ラ音がはじける
煙草を半分に割いて
脱皮する昭和歌謡
手毬、手毬、月がほら
畑に落ちたしなびた茄子の
赤いほころびを繕って
ススキの影にまぎれる缶の
文字さえも照らしてる
夜の航路はヨブのように
あたま鼠の鼻先にレゴブロックの兵隊
銃口は相田みつをの言葉を前に
ガムシロップを垂らす
牛だけれど
蹄鉄の跡を嗅ぐ
ポカリスエットは血の製剤
退屈者の目やには


自由詩 日常の澱 Copyright トビラ 2025-09-10 21:07:27
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