9月の朝
ryinx

 グラフ化される こころのなか
 それは まるで心電図のよう

 きのうであったものが 季節の符号に置き換えられてゆく
  ひと、おしながされてゆく
 ぼくはしあわせでした
 遠い 高原の樹にもたれて

  草木のそよぐ風に靡かれていた

 遠い、記憶のなかで
  大気の、揺らぐおとを聴いていた

 ゆれる 音がきこえる
 かつて視えていたものが いまでもはっきりとみえる

  遠い 土地にいた
  つよい あめもかぜもつちのねも
  とても とてもきれいだった
  あたたかな風に、吹かれていた


自由詩 9月の朝 Copyright ryinx 2025-09-08 05:46:01
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