僕の言えない“ハロー!ピース!”
F (from send-ence)

どうしても言えない“ハロー!ピース!”を
惜しげもなく言っている夢を見た
誰がなんと言おうと夢でした
どうしようもなく夢でした

無邪気に“ハロー!”と言えない僕は
まともに挨拶すらできない若者とごちゃまぜにされたくないから
いつでも言える準備だけは
朝日が昇る度に間違いなくするのだけれど
その度に「じゃあまた今度。」と言葉を交わしたきり
何年も会っていない人達を思い出して苦笑いしてしまう
なんとなく
ただなんとなく
理由を追わずに宙を漂うのも悪くないかな
とそれこそなんとなく

だけどいざというときの
“ハロー!ピース!”の色だけは
青色に決めておこう
理由なんてたいしたこともなく
ただ単に青が好きだから

案外そういうものだとわかってはいるのだけれど

理由や意味に縛られて“ハロー!ピース!”と言えない
役立たずの僕の分まで
僕の言えない“ハロー!ピース”を
ポジティブに包んで言ってくれる君にだからこそ
“サンキュー”を送ります
無理やりにでも“グッドラック”を詰め込んで
返品不可です あしからず

何も考えずに、いや、しょうもないことばかり考えながら
危うく“ピース!”と言いそうになって焦ってしまう僕はといえば
今夜もおとなしく
“君”のことばかり歌うポップミュージックを聴く


自由詩 僕の言えない“ハロー!ピース!” Copyright F (from send-ence) 2005-06-01 03:13:31
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