ムーヴマン
ふるる
夜が空けた。
立体的に、次々と、パタパタと。
画角のはじは暗い
焚き火が燃えていて少しずつ暖かい
手をかざしながら思い出す
ラムネのビー玉の音
レモン色に水色がよく合ったお祭り広場だった
水城エミさんの長い黒髪がなびいて唇にくっついていた
密集したまつ毛にふちどられた瞳の深さはどのくらいか
水深10000m。。。。。。。。
光の届かない……
悲しみをほんのりたたえて佇む姿
海底で拾ってきたようなバッグ抱えて
なぜか白い服で
真珠の飾りがついた
冷たい手鏡を出そうとして
波打ち際にふらふら立っていた
いや、あれはエミさんじゃなくてスミコさん……
だったかも
やがて立ち上がる
遠くの山がブルーに淡くかすんでいる
一輪挿しに雪柳が揺れておぼつかない
一輪車に乗ってみたかったな
あまりじっとしすぎるのはよくないと思う
苦しまないで描こう
留めることができない夜明けの色
ここはうんと明るく。