光るごはん
花野誉


新米を炊いた
土鍋で炊いた

二人暮らしなので
小さな二合炊き

二十分蒸らして
蓋を開ければ
しあわせの香り溢るる

神棚に供えて
日々の糧に感謝

「こんな美味しい米、初めて食べた気がする」

去年もあなたは
同じことを言っていたけれど

幸せそうな笑顔に
何も言わないでおく

「お米が水々しくて、光っている!」

嬉しそうに
二杯目を所望

あなたの目
たくさん美味しいものを
見て覚えておいて





自由詩 光るごはん Copyright 花野誉 2025-09-01 20:24:50
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