夜明けまで
◇レキ
夜明け前の散歩
灯りのない家々を抜け
ちょっとした農道を行く
一人一人の孤独が夜露になって
暗闇を舞う小さなこうもり達の
羽を少し重くする
いつもの開けたどん突きで立ち止まり
ゆっくりと火をつける
寂しいほど煙草は美味しいね
こらえてから自然に落ちる
煙草の灰が涙みたいだ
きっとこれから白み始めて
夜の間にこびりついた
一人ぼっちの寂しさが
少しづつ忘れ去られてゆく
さっき見た夢のように
自由詩
夜明けまで
Copyright
◇レキ
2025-08-31 22:55:26