時の砂塵
月乃 猫
時は、風化の砂塵
砂丘より 蒼い星を子どもたちが
みつめる
大気のない無音のそこからみる
星は かぎりなくウツクシイ
集約される
かわらぬ 社会の列車は喧騒のすえ
プラットフォームにすべりこむ
継ぎ接ぎの客車は、
その小さな空間に
楽しく笑いあうもの
苦しさに 顔を背けるもの
罵りあいも、
無関心をよそおう者は 車窓をみつめ
分析に 言葉を探すものはへつらいに、
誰もが 小さな空間で満員にあえぎ
素朴をよそおう
命を絶った
砂丘の子どもたちは、
それを眺め
生きものの世界で、
異質なものが 除外されるように
悲しみの砂を 握りしめる
校舎から飛び降りた
少年の口がひらく
真空に音の振動は その働きをうしない
心の振動にとって代わられる
砂に しゃがみ込むどの子たちも
無言で、
蒼い星のさまを
じっと追う
歴史の真実は、
子どもたちが 社会の縮図なら
大人の世界が反映される
星に
明瞭な 導きの答えを
いじめは疫病の」ようにひろがる
それを とめる
誰もが 顔を背ける
その答えを
ただ真に 探し求める