日本語で草
林 理仁

それがフランス語であった

またそれもフランス語であった

なのでまたフランス語であった

しばらくしたらフランス語であった

やはりどうもフランス語のようだ

だがしかしフランス語なわけで

だからやはりフランス語なのだろう

久しぶりに見た光景はフランス語であった

そんな今を振り返るとフランス語であった

なんて儚い記憶なのだろう
フランス語でしかなく
またそれを説明すればフランス語であった

あの幻想もフランス語であった
それは結局フランス語であった
また明日フランス語であり、また来年もフランス語であった
だからこんな今もフランス語であり
こうした今の私もフランス語なのだろう

ああ、フランス語、フランス語にね

最後の言葉を締めくくるのもやはりフランス語であった。


自由詩 日本語で草 Copyright 林 理仁 2025-08-29 16:39:59
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