メモⅲ(ひらがな)
道草次郎

「ねこのみみ」

からすがとんで
むしがなく
あかつきかすかな
かぜごこち
いみしんちょうな
ててっぽっぽう
おとぎばなしも
すたるとき
おかまでたいた
ぎんしゃりの
かおりにそばだつ
ねこのみみ



「このとおり」

どこからともなく
やってきて
いつともなしに
さってゆく
あるにはあるが
ないとおもえば
ないのかも
とりとめもなく
あふれだし
なかったことに
なっており
ぐるぐるなのか
かくかくなのか
ぎざぎざみたいな
ふにゃふにゃで
いつのまにやら
このとおり



「しんはんにん」

ひらがなは
きどっている
ひらがなは
ごうまんになる
ひらがなは
へいきできずつける
ひらがなは
はすにかまえる
ひらがなは
うえからめせん
ひらがなは
ひどいやつだ
そういっているおまえが
ひらがなの
しんはんにんだ




自由詩 メモⅲ(ひらがな) Copyright 道草次郎 2025-08-28 06:37:26
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